PS3ってPCじゃないんかい。

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アキバblog経由まこなこの「どうして急に49980円になったのでしょうか?」とか見てると依然「高い」との批判が。

私はPS3を大本営発表を丸呑みにして(ぉ)コンピュータだと思ってる(カテゴリもあえて「PC」にしてあるのもそのため)ので、むしろ今回の件で安くなりすぎて性能がタコってことにならないか心配。
少なくとも今自作できるミドル帯(Athlon 64 X2 3800+とか、Pentium D 3Gぐらいとかあたり?)と、電気屋の安売りチラシに載ってるPC全部よりSETI@home/BOINC性能が高くないと(Cell用クライアント出てないということはひとまず置いといて)な。

私が思う次世代ゲーム機の感想は

Wii…ピクミン3出たら買おうかな。まあ、所詮ゲーム機の範囲だろうし、買うとしたらゲームするため。
PS3…PC。Linux動かす。WindowsはMSがXBOX360出してるから無理だろう。消費電力さえ低ければ「Miria」と入れ替えてSETIぶん回す(クライアント出れば)のだが。
XBOX360…眼中になし。ゲームならWiiだし、PCならPS3狙いだから。MSなんだからせめてWindows Meでも動けばいいのに。Vista Ultimateプリインストで6万ぐらいなら考えても。
参考:NintendoDS…もう少しして品薄が解消されたら買おうかなぁと。ただ、何のソフト買うかというとあまりこれというものがないので、ハード買いになってしまう危険性あり。
参考:PSP…いらん(ぉ)。これ買うんだったらPS3だな。

そもそも、私が今やっているゲームといえば、PCのMMORPG「FFXI」と、旧世代ゲーム機(主にスーパーファミコン)のゲーム(スーパーマリオコレクション、スーパーマリオワールド、ヨッシーアイランドなど主にマリオ系)、あとはPC用の短時間で遊べる無料のアクションとかパズルゲームかな。

ということで、ゲームとしてみると、リアルバリバリの最新タイトルより、どこか懐かしさ漂う旧タイトルの新バージョン(このへんは任天堂が得意だろう)のほうがいいってことになる。その点ではWiiのほうが魅力的だ。

ただ、PS3については「どこまでPCになれるか」という点が気になっている。
Linux+GNUツール、そして仮想PCでWindowsというレベルまで実現可能ならば間違いなく買いだと思う。
ネイティブでWindowsが動けば200%即買いだろうが、MSはXBOXを出しているので、わざわざ敵に塩を送るようなことはしないだろう(そもそも、x86以外のWindowsはIA-64(Itanium)しかないはずだが。Alphaも昔あったが今はもうない)。
あと、PCは結構長時間稼動させるので、最近はワット当たり性能(いくつか言い方があり、私は「電力効率」と呼んでいる)の向上が著しく、IntelのEnhanced Intel SpeedStep Technology(EIST)やAMDのCool'n'Quiet(CnQ)などの制御技術(SETIなどで100%ぶん回す場合には無意味)や、CPU自体の省電力化(K7 vs Pentium3の時代はAthlonがバカ食いで、K8 vs Pentium4時代はIntelがバカ食いだった。今は共に下がってきているが、最新のCore 2 Duoがもっとも性能がいい?)によって消費電力は随分減ってきた(その分GPUがバカ食いでトータルでは増えてるとも言えるが、一般向けPCでは確実にワット当たり性能は劇的に向上している)。
ここで、PS3をPCとして使う場合、次の3ケースを考えることにする。

1.ライトPCユーザーがWebブラウザやメールとして使う
2.ヘビーPCユーザーがネトゲとかを動かす(そもそもPS3はゲーム機だ、というのは置いといて。ここではあくまでLinuxを動かし、その上で仮想PC、さらにWindows、その上でFFXIなどという想定)
3.ナンバークランチャーがSETIを連続でぶん回す

1.の場合、ほとんどPS3の能力が生かせないので、ページ閲覧やメールを書いている間のCPU使用率が低い間のアイドル電力が鍵となる。もともとハイエンドゲーム機的な設計のPS3は、電力効率よりピーク能力のほうにシフトしていると思われる(Cellプロセッサ自体はどうか知らないが、全体として)ので、あまりむいていないと思われる。
それに加えて、Linuxはライトユーザーには使いこなすのがまだまだ難しいし、ちょっと市販のソフトを動かそうとか、友達が作ったゲームで遊ぼうといった時に、Windowsではないのでできないということが起こりうる。
ということで、ライトユーザー層がPCとして使うのは賢い選択とはいえないだろう。

2.の場合、CPUの能力をフルに発揮できる可能性はあるし、Windowsが仮想PC上とはいえ動けばそれなりに汎用性もあるが、それならばネイティブでWindowsが動くハイエンド自作PCや、PS3ネイティブのゲームのほうがよりパフォーマンスが高いと思われる。
ということで、ヘビーユーザー層の場合ライト層よりは有用だろうが、あくまでPCとしての利用は副次的となるだろう。

3.の場合、Cellに特化したクライアントを作れるかどうかという点と、ワット当たり性能がどれだけ高いか、そして「減価償却」の問題がある。
SETIに高性能PCを投入して高ランクを獲得しても、同じPCを使っていればいずれはランクが下がってくる。そこで一定期間ごとに一定の投資をしてPCをアップグレードしなければいけないが、その際に「投入する資金」と「稼動させる期間」のバランスが取れている必要がある。
例えば、PCだと5万で2年だとして、PS3が2年間(もちろん連続、17520時間)現役で稼動し続けられるか(故障しないかという問題は当然として、他の参加PCと比べて特に劣っていないか)現役で居続けられるだろうか。
現在SETI@home/BOINCのランキング上位はPowerPC(Mac)とIntel Core系(Core、Core 2)などが占めている。とりあえずPS3が使えるためには投入時点で500位より上ぐらいでいてほしいわけだ(ちなみに、Athlon 64 4200+の「Naomi」で現在900~1100位程度。Coreの登場が原因なのか急激に下がった)。そのためには絶対性能も必要となる。
ということで、ナンバークランチャー層の場合、環境(特化クライアントと、絶対性能、そして仮にワット当たり性能が悪くても電気代を余裕で払える財力)が整えば強力な武器となりうるが、PCより扱いづらいのは確かだろう。

で、私の場合たぶん3.なのだが、私はPCやデジタル機器を「何かをするための『道具』」ではなく「それ自体を弄って楽しむ『目的』」として捉えることがおおいので、多分もし電力効率が悪すぎてSETIに使えなくても、仮想PCソフトが動かなくてWindowsが動かなくても、面白いゲームソフトが出なくても、とりあえずLinuxが動いてくれればそれなりに楽しめるかなぁと。そのために5万払うのは微妙だが、少なくとも現時点ではWindows Vistaよりは価値があると思っている(明らかにVistaは「道具」色が強すぎる気がする)。

ということで少数派の意見ですが、PS3購入を迷ってる方の参考になれば。ちなみにソニーは初期不良が多いとかソニータイマーがあるとかいわれてますが、その辺は全く考慮せずに書いてます(ちなみ、私はPS2をかなり初期のころに買いましたがメモリーカード不具合は回避できたようです。PS3も買うとしたら2、3回目の入荷あたりで入手したいなぁ)。