モバイルネット回線が空気になるには…

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SF映画・アニメではいつでもどこでもネットにつないで情報を取得・送信してる。まさに「空気」といってもいい状態だ。
そうなるためには現状から何が足りないんだろうか?

1.「接続」を意識しなくなること
簡単にいえば、機器の電源をONにしたら自動的にネットに繋がってるような状況が理想ってことだ。
まあ、病院や飛行機で勝手にネットがONになるとまずいので、少し妥協すると、「インターネットボタン」的なものを押せば回線が接続されてブラウザが開くいった感じ。
現状で近いのは、携帯電話のWeb・メールとか、ノートPCにある「無線ON/OFF」スイッチのようなものかな(後者はあらかじめSSIDなどの設定が必要だが)。
今後期待される技術として、その時点で接続可能なネットワークに自動的に接続する機能(コグニティブルータとか)というものがある。

2.「エリア」を意識しなくなること
といっても、太平洋のど真ん中とか、人が全くいない山奥なんてのは無理なので、人間が生活している範囲でエリアを気にしなくなるという意味。
単純に考えると、アンテナたくさん建てろってこと。
しかし、それはコストの面から難しいので、複数のネットワークを自動切り替えすることで広いエリアを実現するという手法がある。
都市部では無線LAN(54M/11M)/mWiMAX(↓40M↑10M)/XGP(↓↑20M)/HSPA+(↓21M)、郊外では3.5G(HSDPA 7.2M)、田舎では3G(384k)/AIR-EDGE(128k)とか。
これは1.のコグニティブルータがあれば楽に実現可能になるはず。

ってことで、結論はコグニティブルータが出れば問題解決…ちょっとまった、「空気」として使うにはまだもう一つ、最大の問題がある。

3.「使用量(料)」を意識しなくなること
これには2つ意味がある。
1つは「節約のために通信をケチる」なんてことを考えなくても良くなること。
もう1つは「大量に通信すると規制を食らう」なんてことを考えなくても良くなること。

前者は十分な収入があれば問題ない。が、今は不景気で、もうしばらく続きそうである。
また、2段階・3段階定額や、プリペイド、1日限定などのプランはついつい利用をケチってしまいがちだ。
n段階定額の場合は一旦上限を超えれば遠慮なく使うのだが…。

後者に関しては、人間の欲望は果てがないので、ユーザの希望を受け入れていてはきりがない。
だが、規制を食らってもそれに気づかない、あるいはサービスの低下が受け入れられる程度であれば問題ない。
解決方法の1つとしては、ニコニコ動画の「エコノミーモード」的なものが挙げられるだろう。
要するに、一定以上の通信をしたユーザに対しては、エコノミーモードの動画や画像を送るというわけだ。
ただ、これができるのは音声端末向けの公式コンテンツなどに限られ、勝手サイトやPCデータ通信には使えない…。
それらに対してはやはり地道に設備を増強していくしかないが、莫大な金がかかる。

ということで、コグニティブルータで1.と2.は解決できるが、3.を解決するには景気や雇用の改善が必要なので技術だけではどうしようもないということだ。
もちろん、基地局設備が安く作れるようになればいいんだが、安かろう悪かろうでは困るので、高くても質の高いものを作ってほしい。

番外編.「位置情報」と結びつける
これは「○○の空気はおいしい」とか、そういうイメージから。
要するに、エアタグ(iPhoneのセカイカメラ)とか、ご当地コンテンツ(無線LANや地域mWiMAXで可能か?)みたいな感じ。
あとは、PHS限定になってしまうが、基地局情報をGPS代わりに使うとか。少なくとも無線LANよりはエリアが広く、携帯電話基地局よりは精度が高いはず。
GPSも技術の進歩でかなり測位が高速になってるけど、地下やビル街、走行中の電車内など悪条件ではまだまだ弱い。